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「パソコン普及のガン」となっている現行のキーボードの奇妙な文字配列は、いつどうしてできたのか?
―その経緯と簡便確実な改良法 意外な事実 3 なぜワープロは日本人の必需品か 日本人は世界に例のない情報伝達の効率の高い文字体系を所有しています。それは「漢字かな交わり文」という象形文字と表音文字の複合したものです。 われわれの先祖は五世紀ごろ中国から漢字を受け入れて日本語に巧みにとりいれ、感じの偏(へん)や旁(つくり)をもとにして発音に当てはめて、「仮名」を創造しました。伝説では、仮名は弘法大師の創造と伝えられていますが、これは実に偉大な文化を生み出しました。平仮名さえ書ければ山奥のおばあさんでも都会の孫に手紙が書け、その逆もでき、文盲の極めて少ない社会を形成しました。またルビが振ってあれば非常に高度の内容の本でも読みこなし、学習ができます。このために日本にはほとんど文盲がいない世界でも珍しい知的社会が成立しました。また、小学生、中学生の間に約二千の常用漢字をマスターすれば全ての新聞、雑誌が読めるようになります。漢字は絵と同じですから直感的に理解できます。新聞を広げて斜め読みすれば、凡その記事が一覧でき、関心のあるところだけを精読すれば良いのです。このように、日本人は全員が速読法をマスターしているといわれますが、その結果は人口千人あたりの新聞購読数が569部で世界一という知識社会になりました。(英414、独350、米268、仏212、中国29部。88年ユネスコ調べ)しかし一方、漢字を正確に覚えるのに長時間かかるのと、書くのに多大な手間がかかるという大きな短所があります。日本語ワープロはこの欠点をカバーできることで、わが国の知的生産史上「仮名」の発明と並ぶ実に偉大な発明なのです。 発音どおりにキーを打っていけば自然に漢字入りの文章のできるワープロに対しては、日本人は、ビジネスマンはもちろん、お年寄りから主婦に至るまで多大の関心を寄せ、きそってワープロを購入したものでした。しかし実情としては押入れに死蔵されているような場合が非常に多いのです。その理由は打ちにくくて遅く、手で書いたほうが遥かに早いからというのです。あらゆる機能の改良に対するワープロ・メーカーの技術者の努力にはまったく敬服のほかありませんが、消費者の立場から言えばマン・マシン・インターフェイスとしてマシンの半分の価値を持つキーボードについてのみは、すべてのワープロが欠陥、不良商品だったといってもけっして過言ではありません。もし他の商品に、こんな使いにくい不完全なスイッチがついていたならば、オーディオにしても自動車にしてもたちまちユーザーからリコールの嵐を受けているでしょう。パソコンやワープロの初心者は、文章の思考はすらすらと出てきますが、不規則で覚えにくいキー配列のためにあるはずの探している文字が見付からず、思考が阻害されてイライラし、一種のノイローゼ状態となります。これがキーボードアレルギー現象です。このため折角購入されたワープロも、その大半が押入れの中に仕舞い込まれて、年賀状にしか使われない、という状態が少なくありません。その結果、次々と機能が改良された新商品が投入されるワープロの売り上げは頭打ちとなりつつあります。 |
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